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派遣社員が業務中にケガをした場合ー業務災害
派遣社員として当社で仕事をしているスタッフが業務中にケガをしました。
労災給付申請は、当社が手続きするべきでしょうか?
それとも、派遣会社にお願いすればいいのでしょうか?
こういった場合に派遣先として何をすればいいのかも知りたいです。
本件の説明の前に、「派遣社員(労働者)」とはどのように法的に位置づけられているかを説明します。
<末尾参照元【厚労省】「労働者派遣事業に対する労働者災害補償保険の適用について」から抜粋>
上図のように、派遣先及び派遣労働者の三者間の関係は、
①派遣元事業主と派遣労働者との間に労働契約関係(雇う・雇われるの関係)があり、
②派遣元事業主と派遣先との間に労働者派遣契約が締結され、この契約に基づき派遣元事業主が派遣先に労働者を派遣し、
③派遣先は、派遣元事業主から委ねられた指揮命令権により派遣労働者を指揮命令(具体的に仕事に関して指示)するという関係にあります。■誰が「労災給付申請」をするのか?
そもそも労働基準法は上記①の「労働契約関係」にある事業について適用されるものであるため、同法の定める労災補償の考え方もこの労働契約関係に適用されることになります。従って、労災給付申請は、この関係の一方の当事者である「派遣元事業主」が行う必要があります。
ただし、事故の状況を一義的に把握しているのは派遣先です。このため、派遣先は事故の状況を派遣元に通知してあげる必要があります。
■派遣先・派遣元双方に「労働者私傷病報告」義務
労働者が労働災害等により死亡又は休業したとき、事業者は所轄の労働基準監督署に労働者死傷病報告を提出しなければならないことになっています。(労働安全衛生規則第97条)
派遣労働者が派遣中に労働災害等により死亡又は休業したときは、派遣先及び派遣元の事
業者が、派遣先の事業場の名称等を記入の上、所轄労働基準監督署長に労働者死傷病報告を提出する必要があります。
したがって、派遣先である貴社も『労働者死傷病報告』を提出し、その写しを派遣元に送付する必要があります。書類の提出フローは以下の通りです。
<【厚労省】リーフレット「派遣労働者にかかる労働者死傷病報告の提出について」から抜粋>
また、事故発生時に派遣先・派遣元双方留意点をまとめました。
<【厚労省】リーフレット「派遣労働者にかかる労働者死傷病報告の提出について」から抜粋>
派遣先・派遣元双方が事故発生時の対応をあらかじめ想定しておくとともに、両社が協力して業務災害の発生を防ぐことを心がけましょう。
また、死傷病報告に際しては、事故の詳細を決められた書式に記載しなければなりません。
手続きに少しでも不安がある場合には、お気軽にご相談ください。