親などの介護が必要になった社員の介護休業時の手続き

親の介護が必要になった契約社員がいます。有給休暇以外に介護休業制度があると思うのですが、取得できるのは正社員だけでしょうか。

また取得時にはどのような手続きが必要ですか?

■介護休業とは

介護休業とは、労働者が要介護状態(負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するための休業です。

 

■取得できるのは

取得できるのは、対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)です。

ただし、取得予定日から起算して、93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと、とされています。

 

要件の適否を例に示すと以下の通りです。

<【厚労省】「介護休業について」サイトから抜粋>

 

 

また、労使協定が締結されている場合には下記の労働者も対象外となります。

<【厚労省】「介護休業について」サイトから抜粋>

 

労使協定を締結している場合に対象外となる労働者

・入社1年未満の労働者 ・申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者

・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

したがって会社の立場から、取得されると不都合と考える上記項目については労働者代表または労働組合と協議の上、労使協定をあらかじめ締結するようにしてください。

労使協定締結の手続きについては社労士にご相談ください。

 

 

■休業中の保険料の取扱

産前産後休業や育児休業と異なり、介護休業時には社会保険料免除の仕組みはありません。

 

■雇用保険の介護休業給付金

■介護休業給付金を受けられる要件

少しややこしいですが、以下に示します。

<【厚労省】リーフレット介護休業給付の内容及び支給申請手続について から抜粋>

 

☆ 家族を介護するための休業をした雇用保険の被保険者の方で、

介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月
(過去に基本手当の受給資格や高年齢受給資格の決定を受けた後のものに限る。)が
12か月以上ある方が支給対象になります。

 

なお、令和2年8月1日以降に介護休業を開始している方については、
賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月ない場合、
完全月で賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として算定します。

 

(注1)被保険者とは、一般被保険者および高年齢被保険者をいいます。

(注2)介護休業開始日前2年間に疾病、負傷等の理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった方については、これらの理由により賃金の支払を受けることができなかった日数をこの期間に加えた日数(最大2年)となります。

 

ざっくり言いますと、過去12か月にわたって雇用保険に加入してほぼフルに勤務されていた方は対象になります。

 

上記の細かい要件に照らして判断に迷う場合は社労士にご相談ください。

 

 

■支給対象となる介護休業

以下の通りです。

<【厚労省】リーフレット介護休業給付の内容及び支給申請手続について から抜粋>

 

☆ 介護休業給付金は、以下の①及び②を満たす介護休業について、支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給されます。

 

①負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、
2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)
を必要とする状態にある家族(次のいずれかに限る)を、介護するための休業であること。

※ここでいう「状態」が「要介護状態」にあたります。

 

被保険者の「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)」
「父母(養父母を含む)」
「子(養子を含む)」
「配偶者の父母(養父母を含む)」
「祖父母」
「兄弟姉妹」
「孫」

※これらが「対象家族」になります。

 

②被保険者が、その期間の初日及び末日とする日を明らかにして事業主に申し出を行い、
これによって被保険者が実際に取得した休業であること。

 

☆ なお、介護休業は、産前・産後休業中に開始することはできず、
介護休業の期間中に他の家族に対する介護休業、産前・産後休業、育児休業が開始された場合、
それらの新たな休業の開始日の前日をもって当初の介護休業は終了し、
その日以降の分は介護休業給付金の支給対象となりませんのでご留意ください。

 

ポイントは、要介護状態にある対象家族を介護するための休業であることです。

 

 

■支給対象期間

以下の通りです。

<【厚労省】リーフレット介護休業給付の内容及び支給申請手続について から抜粋>

 

☆ 介護休業給付金は、一回の介護休業につき、毎回、介護休業日から起算した1か月ごとの期間
(その1か月の間に介護休業終了日を含む場合はその介護休業終了日までの間。これらの各期間を

「支給単位期間」といいます。)の支給額を計算し、支給します。

 

☆介護休業を分割して取得される場合は、分割して支給することになります。

 

☆介護休業給付金の対象となる一回の介護休業期間は最長3カ月ですので、
介護休業給付金の支給対象は、一回につき、最大3支給単位期間ということになります。

 

☆一つの支給単位期間中に、就業していると認められる日
(前日休業している日(日曜日や祝日など、会社の休日となっている日も含みます。)以外の日)が10日以下でなければ、その支給単位期間については支給対象となりません。

介護休業終了日の属する1か月未満の支給単位期間については、就業していると認められる日が

10日以下であるとともに、前日休業している日が1日以上あることが必要です。

 

☆ 支給単位期間の途中で離職した場合、当該支給単位期間は支給を受けることはできません。

 

☆ 介護休業給付金の支給対象となる支給単位期間を支給対象期間といいます。

 

 

こちらは、請求申請する際の「支給単位期間」の取扱になります。手続き上のややこしい箇所ですが、対応にお困りの場合は社労士にぜひご相談・お任せください。

 

 

 

■支給額

<【厚労省】リーフレット介護休業給付の内容及び支給申請手続について から抜粋>

 

☆ 介護休業給付金の各支給対象期間ごとの支給額は

原則として、休業開始時賃金日額×支給日数×67%です。

① 「支給日数」とは、

a)b以外の支給対象期間については30日

b)休業終了日の属する支給対象期間については、当該支給対象期間の日数

です。

 

② 「賃金日額」は、事業主の提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」によって、

休業開始前6か月間の賃金を180で除した額であり、
これに上記①の支給日数の30日を乗じることによって算定した、
「賃金月額」が501,300円を超える場合は、

「賃金月額」は501,300円となります。
(これに伴い、1支給対象期間あたりの介護休業給付金の上限額は335,871円となります。)

また、この賃金月額が79,710円を下回る場合は79,710円となります。
(上記の金額は令和5年7月31日までの額です。)

 

③ 支給対象期間中に賃金支払日があり、そこで支払われた賃金
(ただし介護休業の期間を対象とする賃金に限る。)の額と
「賃金日額×支給日数(上記①又は②)」の67%相当額の合計額が、
「賃金日額」の80%を超える時は、当該超えた額が減額されて支給されます。
その結果、次のようになります。

 

賃金が休業開始時賃金日額×支給日数(上記a又はb)の → 13%以下の場合        → 賃金日額の67%相当額を支給
            〃               → 13%を超えて80%未満の場合 → 賃金日額の80%相当額と賃金の差額を支給
            〃               → 80%以上の場合        → 支給されません

 

☆ 高年齢雇用継続給付を受けている場合、
高年齢雇用継続給付の支給対象月の初日から末日までの間、
引き続いて介護休業給付を受けることができるときは、その月の高年齢雇用継続給付を受けることはできません。

 

これも、いろいろ書かれていてややこしいですが、受給できる原則としての水準は、

休業開始時賃金日額×支給日数×67%」と押さえていただければ概ね問題ありません。

 

 

■支給申請手続き

<提出書類>

「介護休業給付金支給申請書」ならびに「被保険者休業開始時賃金証明書(介護)」

 

<添付書類>

  • 会社宛に提出した「介護休業申出書」(厚労省のひな形あり)、
  • 介護対象家族との続柄等の確認書類として「住民票記載事項証明書」等
  • 介護休業の確証として「出勤簿」など
  • 賃金支給の確証として「賃金台帳」などを提出します。

 

手続については、かなり複雑なものとなります。
間違いなく行うためにぜひ社労士にお任せになることをお勧めします。

お気軽にお問い合わせください。

 

参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000970939.pdf

関連記事